昼食後、いよいよホピ族のお宅へ向かいます。
通常、入ることのできない区域ですが、ガイドのナナさんのお友達がいらっしゃるということで、特別に入れてもらえることになったのです。
ホピカルチャーセンターから車で向かうと、メサと呼ばれる大きな岩山が見えました。
ホピ族の人達はそこに石の家を造って生活をしています。
(もちろん、もうホピの居留区を出て別の地域で生活している人もいるそうです)
岩山の途中まで車でのぼり、その先は歩いて行きました。
そのメサから見える景色はなんとも表現できない美しさで、見渡す限り広がる大地に圧巻・・・
そして、メサの岩山の雰囲気で世界の果てに来たような気分になりました。
写真を撮ることができなかったのでどうすればうまく伝わるのかわかりませんが、私は「神に近い場所」のような気がしました。
ナナさんのお友達のご家族はとても温かく受け入れてくれました。
いくらナナさんと一緒だからといって、私達のような見ず知らずの外国人を「わざわざ日本から来てくれた」と迎えてくれたことに本当に感動・・・
ネイティブアメリカンの人達はいとこ同士でも「お兄さん、お姉さん」と呼び合うそうです。
叔父さん、叔母さんの関係にある人を「お父さん、お母さん」と呼ぶこともあるそうで、日本のように家族という区切りがないのです。
一見「大家族?」と思ってしまうかもしれませんが、それだけお互いのことを支えあって生活していることの証なのでしょうね。
この日はちょうど「Sosial Dance」という豊作を祈る女性だけのお祭りが行われるそうで、
しかもバッファローダンスが見られるということ。
とても珍しいうえに、通常は部外者は見られないので本当に貴重なことなのです。
ダンスが始まるまで時間があるのでしばらく雑談をしていたのですが、なんとイーグル(鷲)が!イーグルなんて、日本ではまず見ることができません。
アメリカでもイーグルを捕獲したり、その羽を使うことはネイティブの人達以外は禁止されているというほど貴重な存在なのです。
翼を広げて飛ぶ姿はとても美しく、神聖なアニマルとの出会いにまた感動・・・
この旅は本当に感動の連続です。
ナナさんのお友達の方が周囲を案内してくれることに。
住民の人達から見れば私達日本人が珍しいらしく、特に子供達にはじ~っと見られていました(笑)
メサの中を案内してもらっていると、遠くから音楽が・・・
「ダンスが始まった!」ということで、急いで高台に上がりました。
民家の間の小さな広場でダンスが行われます。
それを高台から見下ろすようなかたちで見させて頂きました。
4人の女性ダンサーが数人の女性の演奏と歌に合わせて踊ります。
テレビで見るような大きなお祭りとは違い、こじんまりとしたお祭りですが
ダンスはとても力強く、神聖な雰囲気のものでした。
このダンスには雨乞いの意味もあるそうで、途中本当に雨が降ってきたのです!
空を見上げるとそれほど雲はなく、お天気雨といった感じでした。
ホピ族はネイティブアメリカンの中でも最もスピリチュアルな部族といわれるだけあって本当にスピリチュアルな体験でした。
ダンスを見たあと、先ほどお邪魔していたお宅のおばあちゃんの家に向かいました。
フルート奏者のマークさんがそのおばあちゃんに笛をつくってあげたそうで、そのお礼におばあちゃんはマークさんに壷を作ったから取りにきて欲しいということでした。
私達も一緒にお家の中に入れて頂き、おばあちゃんのつくった焼き物を見せて頂きました。
素晴らしい作品ばかりで小さいものがあれば購入したいと思ったのですが、大きな作品が数点あっただけだったので、日本に持ち帰ることを考えて購入することができませんでした。
そのおばあちゃんは最近息子さんを突然亡くされて、元気をなくしていることもあり作品をあまり作っていなかったのだとか・・・
ダンナ様も亡くされていて、今はお孫さんを引き取って1人で育てているのだそうです。
ネイティブの人達の間では白人の文化が入って以来食生活が急激に変化し、その影響からガンの発症率がものすごく高いのだそうです。
そのおばあちゃんのダンナ様もガンで亡くなり、またもう1人の息子さんはガンが進行した状態だと言っていました。
ネイティブの人達は経済的にとても厳しい生活をしていて、じゅうぶんな治療を受けられなかったり、せっかく貯めたお金を騙し取られてしまったこともあるのだとか。
そのため、チャリティマラソンなどをして少しネイティブの人達が治療を受けられるように活動しているのだそうです。
私達はチャリティとして売っているというTシャツを購入しました。
私には何もできないけれど、少しでも役立ててもらえたら・・・と心から思いました。
おばあちゃんが「ありがとう」と何度も言ってくれたのが印象に残っています。
マークさんがおばあちゃんのために作ったフルートで「アメイジング・グレイス」を吹きました。
おばあちゃんは「夫の葬儀の時、この曲で送り出したの」とダンナ様のことを思い出されて涙ぐんでいました。
その姿を見て、私も込み上げてくるものがありました。
おばあちゃんの家をあとにして、その後「ホピの予言」で有名なの予言の石を見にいきました。
大きな岩に人間の一生が描かれていて、そこには分かれ道がありました。
選んだ道によってその先は・・・?
深い意味が刻まれているように感じました。
本当はもっとゆっくり見たかったのですが、とにかく寒くて寒くて・・・(笑)
みんな早々と車に乗り込みました。
夕方、宿泊先のホピ・カルチャーセンターに戻りました。
夕食はセンター内の昼食と同じレストランで食べました。
「本日のスペシャルディナー」と書いてあったチキンラップを注文。
トルティーヤみたいな食べ物で、中にから揚げチキンと野菜が入っていました。
とても美味しかったのですが、またもすごいボリュームで食べきれませんでした。
ここホピはとにかく寒い!(笑)
もう日本も真冬並み(?)でした。
セドナの昼間は真夏並みなのに、この温度差には驚きです。
部屋のヒーターを全開にして、シャワーをゆっくり浴びて温まりました。
でも、ここのホテルの水はなぜかヌルヌルしていたんです。
ボディソープがちゃんと流れているのかもよくわからない状態で・・・(笑)
しかも、部屋にドライヤーがなくて、仕方なくヒーターで髪を乾かしました。
ただでさえ乾燥している気候なのに、肌だけでなく髪もパサパサですよ。
洗い流さないトリートメントを普段よりも多めにつけて、眠りにつきました。
(続く)
ホピ族の居留区では写真を撮ることが禁止されているため、写真はありません。