
映画
「典座 TENZO」を観て来ました。
東日本大震災後の仏教や信仰を問う、曹洞宗の映画です。
演じているのは実際の曹洞宗の僧侶の方々。
「典座」とは禅宗の寺院において僧侶や参拝者に食事を司る役職のことなのだそうです。
震災で福島の寺も家族も檀家さんも全て失ってしまった隆行僧侶、山梨の寺で精力的に活動しなが重度の食アレルギーを抱える息子さんを持つ智賢僧侶。
仏教とは、信仰とは何か?何のために祈るのか?
二人の僧侶の苦悩や葛藤と曹洞宗一の人格者と言われる女性高僧・青山俊董老師との対話を軸に、ドキュメンタリーとフィクションを織り交ぜて福島、山梨、長野、中国を舞台にストーリーが展開していきます。
僧侶の方々の祈る姿が何とも美しく、それだけでも心が洗われるように感じました。
そして、青山老師の佇まいや会話が素晴らしかったです。
特に「一人でもいい、本物に立ち上がって欲しい。お釈迦様ひとりから始まった仏法じゃないか。できる、できないは問わない。私がやりましょう、そう思っています。」という言葉が心に響きました。
公開2日目ということで監督と主人公のお二人による舞台挨拶のあったので、その回に合わせて行ってきました。
映画を製作する際のエピソードや青山老師に会いに行った時の話など映画には出てこない部分なども聞けてとても興味深かったですよ。
これからの時代は更に祈ること、寄り添うことが大切になるというお話が印象的でした。
現在は渋谷と吉祥寺の2ヶ所で上映されていますが、今後は順次全国で公開されるそうです。