モンテズマウェルをあとにして、いよいよスウェットロッジです。
今回のスウェットロッジを開催して下さるネイティブアメリカンのヴァーノンさんのお宅へ向かいました。
ヴァーノンさんはラコタ族の方で、ネイティブアメリカンの様々な思想に精通しているそうです。
去年もスウェットロッジには参加しましたが、ちょっとしたハプニング(セドナ仲間の方はわかるかと思いますが・・・)があったりして実は不完全燃焼だったんですよ(笑)
なので今回のスウェットロッジはその分思い入れが強かったのです。
あと、去年訪れたホピ族のヴァキーさんがおっしゃっていた「走ることは祈りにつながる」という言葉がずっと気になっていて、ネイティブアメリカンの思想をもっと知りたいという思いもありました。
ヴァーノンさんのお宅に着くと家族のみなさんが温かく迎えてくれました。
そして、まずはヴァーノンさんの話を聞くことに。
ヴァーノンさんは「今夜のスウェットロッジではバランスを取り戻していきましょう」と話しました。
日常生活を送っているとどうしても知識や思考に囚われてしまうけれど、直感を大切にすることでバランスがとれるのだとヴァーノンさん。
本来、肌の色のある人種(黒人や黄色人種など)は直感的なのだそうです。
知恵と直感のバランスが儀式では重要になると話してくれました。
このスウェットロッジでのテーマとなった「直感」と「バランス」・・・
そうです、私がこの旅に出る前に引いたセラピーカードのキーワード、「インスピレーション」「調和」まさにそのままだったのです!
このテーマの一致には本当にビックリしてしまったのですが、それだけ私にとって大切なことだったのかもしれません。
ヴァーノンさんはバランスについて話してくれたあと、「あなたは誰ですか?」と問いかけてきました。
どういった人が参加するのかによってスウェットロッジの流れを考えてくれるそうなのです。
1人ずつ自己紹介と自分がどんな仕事をしていて、どんな思いがあってスウェットロッジを体験したいと思ったのかを話していきました。
私は自分がセラピーに携わっていることやスウェットロッジは去年1度体験していること、このスウェットロッジで自分と向き合うきっかけをつくりたいという思いを伝えました。
私にとってこの旅の総仕上げがスウェットロッジだと思っていましたから・・・
このように最終日に最後のプログラムとなったことも意味のあることのように感じたのです。
その後、ヴァーノンさんはスウェットロッジの中で歌う唄をおしえてくれました。
ヴァーノンさんの歌声は胸に響くものがあって、目を閉じて聞いているとそれだけで涙があふれてきて・・・
なんだかとても温かい気持ちになりました。
そして、いよいよ儀式の準備です。
ロッジの中ではとにかく汗をかくので、ロッジ用の洋服に着替えました。
女性は膝が隠れるスカートでなくてはいけないそうなので、ロングの綿素材の巻きスカートを持参していたんです。
ちなみに、生理中の女性はロッジの中には入れません。
生理自体に浄化の作用があって、ロッジの中に入る必要がないと考えるのだそうです。
なので、差別というわけではなく、むしろ神聖なものなのですね。
今回はみんな入ることができましたが、もし入ることができなくてもロッジの外で祈ることで一緒に儀式を受けたことになるそうですよ。
着替えが済んだら外へ出てロッジへと移動しました。
辺りはもうすでに真っ暗で、ヴァーノンさんが持っていてくれる明かりを頼りに歩いているといった状態です。
ロッジの前に着いたら、1人ずつ自分の名前を言ってから四つん這いになって中に入ります。
ロッジの中は更に真っ暗で、手探りで前に進んでいき順に座っていきました。
全員がロッジの中に入ると、焼いた石が運び込まれました。
そこに薬草をまき、水をかけてロッジの中をサウナ状にしていきます。
「これから4つの方角を旅していきます」とヴァーノンさん。
ロッジの中の4つの方角それぞれに祈りを捧げていくのです。
まずは日が沈んだばかりなので西の方角から。
西→北→東→南の順番で行っていきました。
ちなみに、それぞれの方角にはこのような意味があるそうですよ。
西は目に見えないガイドやメディスンを示す。(色は黒)
北は純粋さ。(色は白)
東は新しい体験。(色は赤)
南は豊かさ。(色は黄)
石を運び込んで水をかけるという作業を4セット繰り返すので、ちょうど4つの方角になるわけですね。
途中にロッジの入り口は開けられて外の空気を入れてもらえるのですが、1セットごとにすごい汗の量で・・・
まさに「浄化」の儀式ですよね。
その方角ごとに自分の願いや家族や周囲の人たちへの願いを祈りとして捧げていったのですが、実は私は途中で何度か意識が飛んでしまったんですよ。
瞑想などをしている方は経験があるかもしれませんが、起きているのに寝ているような感覚というのでしょうか。
私は瞑想していて本当に寝てしまうこともあるのですが、あの高温のロッジの中で寝るわけないですからね(笑)
そのたびに「うわっ、やばい・・・。せっかくのスウェットロッジなのに!」と意識を戻すようなことを何度もしていました。
なので、4セットも繰り返すスウェットロッジがあっという間に感じてしまったのです。
儀式が終わって外に出ると空気がひんやりしていて気持ちよかったです。
そして、空には満天の星空が広がっていました。
天の川も今回の滞在中で一番キレイに見えましたよ!
家に戻って着替えを済ませると、ヴァーノンさんのご家族が食事を用意してくれていました。
本来、スウェットロッジの時はみんなで手作りの料理を持ち寄ったりするそうですよ。
食事をしながらヴァーノンさんとロッジでの体験をシェアしました。
それぞれが感じたことを話したわけですが、私は自分の意識が飛んでしまったことを伝えたのです。
するとヴァーノンさんは「それはグランドファーザーがあなたのガイドスピリットに働きかけたのでしょう。ガイドスピリットが自分から離れて何かを見せようとしたのかもしれません。あなたはそこで何を見ましたか?」と言いました。
「そこまでは見られなかった」と私が答えると、「あなたは何かを見る前に自分で戻ってきてしまったのですね」とヴァーノンさん。
そうです、私は意識が飛びそうになるたびに自分の思考を使ってロッジに意識を戻していました。
「セドナまで来たのだから価値をつくらなくては」「せっかくのスウェットロッジなのだから集中しなくては」と・・・
それがヴァーノンさんが言う「直感ではなく思考に囚われている」ということだったのでしょうね。
価値をつくりたいという思いが空回りしてしまったようで少しがっかりしていると、ヴァーノンさんは「その見られなかった何かを見るにはもう1度ロッジに入るか、グランドファーザーの存在をもっと探求しなさい。」と言いました。
そして、グランドファーザーとの関わりを持つある方法をおしえてくれました。
「このことは人には言ってはいけない」ということなのでここに書くことはできませんが、その方法をすることで「あなたはセラピーにとどまらず、もっと大きな意味でのヒーリングの場で必ず活躍できるようになる」と言ってくれたのです。
ヴァーノンさんは「これは私が言っているのではなく、私を通してガイドスピリットがそう伝えている」と言っていましたが、もしかしたら初めから私がセラピストとして不安や迷いを持っていることを感じ取ってくれていたのかもしれません。
「セラピーなど多くの人と関わっている人がロッジに入るとその場に大きな影響を与える。それは直感や感性の大切さを知っている人だから」と言ってくれたこともとても嬉しかったです。
他にも「どんな場所でセラピーをしているの?」「アロマをやっているならセージのオイルは使う?シダーは?」など、気さくに話しかけてくれたんですよ。
そして最後の別れ際に「また戻ってきなさい」と言ってくれたことがとても心に残っています。